アルパカの特徴についてご存知ですか?きちんと知らずに洗うと思わぬことになることも!
今回はどんな特徴があるのか・自分でケア出来るのか・クリーニング出した方がいいのか、それぞれのチェックポイントを調べてみました。
アルパカとは
アルパカから取れる繊維は、アンデス最高の天然繊維とも言われています。保温性、保湿性、軽さ、柔らかさを備え、秋冬素材ではウールに次いで定番になりつつあります。
人気の理由は、抜群の保温性に加えて、毛玉ができにくい点。
アルパカには大きく二種類居て、短毛種のワカイヤ(ファカヤという表記の場合もあり)、長毛種のスリ(スーリーという表記の場合もあり)がいます。
特にスリは希少で、ワカイヤのアルパカから取れる繊維は1頭で3キロのところ、スリは1頭300gほどしか取れません。
さらに希少なのがベビーアルパカ。毛が柔らかく、肌触りが良いです。セーター、ストール、マフラー、カーディガンなどに使われており、インディオのマントやポンチョに使われることもあります。
アルパカが持つ抜群の防寒性から、デッキジャケット(海軍の防寒着)に使われることも。グライミーやフェローズといったデッキジャケットの内側のボアには、アルパカ繊維が採用されています。
アルパカのメリット
一番のメリットはその保温性の高さです。
繊維の太さは、ウール(20ミクロンくらい)に比べると少し太めの25.5ミクロン~30ミクロンくらいですが、毛の中がストロー状に空洞になっているため、空気の層が断熱材の役割をし熱を逃がさないんですね。
ウールと違って直毛のため、毛が絡まりにくく、毛玉ができにくい点もポイント。シワなりにくく、ウールに比べると縮みにくいです。
油分が多いため、水をはじきやすく汚れがつきにくい・しっとりとした肌触りで、ウールよりもチクチク感が少ないというのも嬉しい点です。
シルクアルパカや、モヘアアルパカなど、他の繊維と相性が良く、混紡して使われることも多いようです。
アルパカのデメリット
直毛のため、毛が抜けやすく、洗濯を繰り返すと服のボリュームが落ちやすいです。
また油分を含むため濡れにくいですが、いったん濡れてしまうと乾きにくく、毛に動物性の脂肪分があるため、濡れた時に動物臭がすることがあります。
アルパカ素材の服をクリーニングするべき頻度は?
アルパカは、水や油、臭いを吸収しにくい素材のため、ドライクリーニングも含めてなるべく洗濯しないのが、服を長持ちさせるコツ。
ただし最低限、衣替えなど長期間保管する前には一度クリーニングをおこなっておきましょう。
アルパカは内部の湿気が乾きにくい繊維でもあるため、汚れや湿気を持ったまま保管すると、カビやシミ、臭いの原因になることがあります。
アルパカの正しい洗濯方法は?
アルパカは比較的強い繊維ですが、正しい方法で洗濯してしっかり長持ちさせましょう!
洗濯前の確認・注意点
洗濯表示次第ですが、手洗いもしくは、洗濯機の手洗いモードで洗濯することになるでしょう。
お湯を使うのは避けましょう。アルパカには天然の油分がついていて、水分や汚れをはじく働きがあり、この油分がお湯で流れてしまう可能性があります。
洗剤って使用した方がいいの?
アルパカ繊維の洗濯には、中性洗剤を使うようにしましょう!一般のアルカリ性洗剤や漂白剤は使ってはいけません。
市販の中性洗剤には、エマール(花王)、ボールド おしゃれ着洗剤(P&G)、アクロン(ライオン)などがあります。
なかでもエマールは、第三者機関のザ・ウールマーク・カンパニーに認定されていて、「ウールマーク付きニットの洗濯に適した洗剤として認定(D4431)を受けています」と表示されています。
ボールドは、女性調香師によって、女性が好む香りがつけられていますので個人的にはおすすめです。
洗濯の手順について解説!
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1ぬるま湯を容器に入れ、おしゃれ着用の中性洗剤を溶かして洗浄液を作ります。
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2服を裏返しにして、洗浄液に入れます。
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3やさしく押し洗いします。
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4容器の中身をぬるま湯に入れ替え、泡がなくなるまですすぎます。
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5柔軟剤を入れます。
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6洗濯ネットに、服を畳んで入れ、
ハンガーは使わずに干すのもポイントです。肩部分にくっきりハンガーの型が出たり、服が自重で伸びてしまうなど、型崩れの原因になります。
乾燥機って使って良いの?
アルパカは、ウールに比べると縮みにくい素材ですが、濡れた状態で急激に熱を加える乾燥機(タンブラー乾燥)では、確実に縮み・型崩れ、抜け毛が起こります。
なるべく乾燥機は使わないようにしましょう。その代わりアルパカは、比較的強い繊維なので天日干しでも問題ありません。
ただし混紡されている別繊維の性質次第で、陰干し指定の場合もありますので洗濯表示の確認は忘れない様にして下さいね。
アイロンって使っても良いの?
アルパカ繊維自体は中温程度のアイロンに耐えられますので、アイロンの使用自体は問題ありません。
ただし混紡繊維の種類等によっては、アイロンの可否や温度が変わってくる場合がありますので、こちらも洗濯表示をチェックしてからにしましょう。
アルパカを長持ちさせる、普段のお手入れ方法は?
「水洗い不可」マークのついた衣類は、自宅では洗濯することができません。
すぐにクリーニングに出すのが難しくても、普段からケアしておけば大切な服を長く使うことができます。
ケア方法①:静電気ケアで抜け毛を防止
アルパカ繊維は、素材の特性を活かすために甘撚り(あまより)のものが多く、毛が抜けやすいです。
静電気が起こると、さらに毛が抜けやすくなるため静電気防止スプレーで予防しましょう。
人気の静電気防止スプレーには、エレガード(ライオン)、リセッシュ除菌EXプラス(花王)、スタイルケア 服のミスト(花王)などがあります。
例えば、エレガードは速乾性があり、匂いが残らない微香性タイプ。75mlと160mlの2サイズがあります。
75mlタイプは、カバンの隅に入れておいても気にならない大きさですのでおすすめです。
ケア方法②:ブラッシングで毛並みを整える
長毛タイプのアルパカ繊維は、毛が乱れやすいので洋服ブラシで整えましょう。天然素材の、やわらかい馬毛のブラシがオススメ。
繊維の間に入り込んだゴミやホコリなど、少々の汚れもケアできます。
静電気が発生してホコリが逆にまとまりついて取れなくなります。
アルパカ素材の服を着る際の注意点
アルパカの毛は抜けやすいという欠点があります。冬場は、特に静電気で毛が抜けやすいんですね。
重ね着する服の素材次第で、静電気を発生しにくくすることができます。
アルパカとポリエステルやアクリルなど、化学繊維の組み合わせは、静電気が発生しやすいので避けましょう。
化学繊維の中では、唯一アルパカ素材と組み合わせて静電気が起こりにくいのがナイロン。
例えば、アルパカセーター+ナイロンのウインドブレーカーなどは、静電気が起こりにくいです。アルパカ素材の服を着るときは、組み合わせる服の素材を意識するようにしましょう。
アルパカの保管方法は?
アルパカ素材の服を押入れの中で保管する際の注意点をまとめました!
気を付けるポイント①:カビ対策
アルパカは濡れにくい反面、濡れたら乾きにくいという性質を持っています。長期保管前には、充分に乾かしてから保管しましょう。
ドライクリーニングから返って来たら、ビニール袋を外し、干してから保管すると良いでしょう。
クリーニング直後には、服の内部に湿気が残っていることがあります。ホコリ防止には、ビニールカバーよりも通気性の良い不織布の洋服カバーが良いでしょう。
気を付けるポイント②:虫食い対策
アルパカを保管する場合は、虫食い対策を充分にしておきましょう。繊維を食い荒らすカツオブシムシ、イガ、コイガなどの虫は特に天然繊維のアルパカを狙ってやってきます。
クローゼットで保管する場合は、なるべく上部に防虫剤を置きくのがGood!
また、2種類以上の防虫剤を同じ場所で使うと、化学反応が起きて防虫剤が溶け、周囲の衣服を汚すことがあるので注意。
無臭のピレスロイド系の防虫剤は、他の防虫剤と併用できる上、衣服に匂いがつかないのでおすすめです。
市販のピレスロイド系防虫剤には、ムシューダ(エステー)、ミセスロイド(白元)、サザン(フマキラー)などがあります。
例えば、ムシューダ(クローゼット用)などは、有効期間が1年と長く、防カビ効果もあります。有効期間が過ぎると「お取替えサイン」の色が変わって知らせてくれます。
意外な落とし穴?アルパカをクリーニングに出す際の注意点
アルパカ素材の場合、「手間がかかる素材」という扱いになり、追加料金が発生するケースがあります。
たとえば、うさちゃんクリーニングのデラックスコースでは、アルパカ混紡率50%以上の場合は、料金が3倍という設定になっています。
(参考:クリーニング料金|うさちゃんクリーニング)
また、高価なアルパカ素材の服の場合は、万が一に備えて、クリーニング前の衣服を、スマホで撮影しておくと良いでしょう。仕上がり前後の比較が簡単になります。
心配な方はプロにお任せ!
自分で洗うのが心配な方、面倒な方はお店にクリーニングに出す方がいいかもしれません。
自分の家の近くで出すのでもいいですが、モノによってはお願いするお店を選んだ方がより良いと思います。
今の時代は、宅配クリーニングを利用すれば、自分の生活にあったお店を選んで使うこともできますので、是非候補にいれてみてくださいね。
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