モヘアの特徴についてご存知ですか?きちんと知らずに洗うと思わぬことになることも。
今回はどんな特徴があるのか・自分でケア出来るのか・クリーニング出した方がいいのか、それぞれのチェックポイントを調べてみました。
モヘアとは
モヘアは、アンゴラ山羊の毛から出来た繊維です。トルコ語で「最高の毛」を意味するモヘアは、光沢があって手触りがよく、通気性が良くて同時に吸湿性も良いためムレにくいです。
繊維としての強度も強くて、ダイヤモンドファイバーと呼ばれるほど。ひっぱり強度はスチールを超えます。
アンゴラ山羊は、成長にともなって毛質が大きく変化し、「キッドモヘア」「ヤングゴート」「アダルトモヘア」と呼び方が変わります。中でも貴重で高級とされているのが、キッドモヘア。
繊細で柔らかい子ヤギの毛は、カシミヤに近い手触りです。あえて甘撚り(あまより)した糸を使って、フワフワした肌触りの服に仕立てるんですね。
特に柔らかくてチクチク感がないため、モヘアのセーターは人気があります。使い込むとモヘアが摩擦によって徐々に起毛していき、趣が出るという声も。
アイルランドのカシュヘンデール、スペインのマンタスエスカライ、フランスのギヨモンなどのブランドが、ウールや化学繊維との混紡で、モヘアの風合いを活かしたマフラーを作っています。
珍しいところでは、ビジネススーツの生地として使われることもあります。
イギリスのドーメル(DORMEUIL)では、モヘア生地を使ったビジネススーツコレクション「トニック」を販売しています。ドーメルの代名詞とも言われるのが春夏もののモヘア生地。
通気性の良さと吸湿性の良さを活かした快適な着心地と、美しい光沢とドレープ感を兼ね備え、皺になりにくい点が評価されています。
モヘアのメリット
毛足が長くて、毛のキューティクルにあたる「スケール」と呼ばれる部分がウールに比べて小さいので滑らか。手触りが良く、光沢感があります。
繊維強度(引っ張りに対する強さ)も高いです。
モヘアのデメリット
ウールに比べると多少マシですが、水洗いで縮みやすいため、洗濯不可な服が多いです。洗濯表示が「水洗い可」になっていても、細心の注意が必要です。
毛が抜けやすいため、ブラッシングや静電気ケアなどの手入れが必要です。
高級品のキッドモヘアは、毛が抜けやすいため着脱の際に爪を引っ掛けると、糸が引きつれやすいという欠点もあります。
モヘア素材の服をクリーニングするべき頻度は?
衣替えの時期には、年に一度クリーニングをおこないましょう。モヘア素材の服は、洗濯を重ねると毛が抜けてボリュームが減っていくので、洗濯自体をあまりしないのが長持ちのコツ。
モヘアの正しい洗濯方法は?
モヘア素材の服は、ほとんどの場合、家庭洗濯が不可と考えておきましょう。
洗濯表示が「水洗い可」のものでも、繊維が縮まないように注意しながらの手洗いとなります。
洗濯前の確認・注意点
モヘアは、水洗いで縮みやすいです。洗濯機で洗わずに、手洗いするのが良いでしょう。
洗剤って使用した方がいいの?
繊細なモヘア繊維にダメージを与えないよう、通常のアルカリ性洗剤(粉石けん)は避けます。中性洗剤のなかでも、蛍光剤、漂白剤の入っていないタイプを使いましょう。
500mlが300円強で販売されています。中性洗剤には、洗浄力に劇的な違いはありません。香りの好みで決めても良いでしょう。
例えば、P&Bのボールド おしゃれ着洗剤は、「型崩れ防止」「柔らか仕上げ」といった基本機能を備えつつも、女性調香師が、女性が好む香りをつけるなど香りにこだわった中性洗剤です。
洗濯の手順について解説!
ぬるま湯を容器に入れ、おしゃれ着用の中性洗剤を溶かして洗浄液を作ります。
服を裏返しにして、洗浄液に入れ、やさしく押し洗いします。揉み洗いやつまみ洗いは、縮みの原因になるので避けましょう。
容器を綺麗なぬるま湯に入れ替え、泡が無くなるまですすぎます。(2,3回水を入れ替え、すすぎます)
最後のすすぎで柔軟剤を入れて、服に柔軟剤を染みこませると、ふんわり仕上がります。洗濯機の脱水機能は使わず、バスタオルで挟むようにして水分を取りましょう。
陰干しで自然乾燥させます。ハンガーを使うと、自重で伸びてしまうため、平干しにしましょう。
ピンチハンガーの上部に広げて干すか、平干しネットを使うと良いでしょう。
乾燥機って使って良いの?
乾燥機は、モヘア繊維が縮んだり、毛が抜ける原因になるため避けましょう。干す場合は、色あせを防ぐため、天日干しは避けて風通しの良い場所で平干しにします。
アイロンって使っても良いの?
アイロンの可否、温度については洗濯表示に従います。
シワを伸ばすためにスチームアイロンを使う場合は、プレスせずに浮かし掛けします。蒸気でモヘアの毛が起毛し、ふんわり感が復活するという効果もあります。
モヘアを長持ちさせる、普段のお手入れ方法は?
「水洗い不可」マークのついた衣類は、自宅では洗濯することができません。すぐにクリーニングに出すのが難しくても、普段からケアしておけば大切な服を長く使うことができます。
ケア方法①:静電気対策
モヘアは毛が抜けやすいです。静電気が発生すると、さらに抜けやすくなります。
静電気防止スプレーを使いましょう。例えば、速乾性で携帯タイプ(75ml)のエレガードは、350円ほどで買えます。
なお、静電気防止スプレーは、他人にスプレーしてもらうと稀に静電気火花が発生する可能性あり。着たまま使う場合は、自分でスプレーするようにしましょう。
ケア方法②:ブラッシング
洗濯回数を減らして長持ちさせるため、繊維の間に入ったホコリやゴミは、洋服ブラシでブラッシングしてケアしましょう。
毛並み方向に優しくブラッシングするのがコツです。皮脂のつきやすい襟元や袖口の内側は、タオルでブラッシングすると良いでしょう。
なお、洋服ブラシは柔らかい動物性の馬毛ブラシが良いでしょう。化学繊維製は静電気が発生するため、ホコリや毛が取りにくくなり、モヘアの毛が抜けやすくなります。
モヘア素材の服を着る際の注意点
モヘアは毛が抜けやすいので、滑りの良いインナーと合わせると、抜け毛が目立たなくなります。
毎日の着用を避け、1日着たら陰干しして湿気を取り、2~3日休めると、モヘアの毛の光沢が復活します。
繊維へのダメージを避けるため、ショルダーバッグのベルトや、リュックの肩紐との摩擦を避けましょう。手提げタイプのバッグに変えるのも一つの方法です。
モヘアの保管方法は?
モヘア素材の服を押入れの中で保管する際の注意点をまとめました!
気を付けるポイント①:ビニールから外して保管
クリーニングから返って来たモヘア素材の服は、ビニールから外して保管しましょう。ビニールに入れたままだと、湿気を溜め込み、カビが発生する可能性があります。
ハンガーで保存すると、服の自重で伸びてしまうことがあるため、畳んで保管するのが良いでしょう。
気を付けるポイント②:防虫対策
天然素材のモヘアは、虫食いの害虫(カツオブシムシ、イガ、コイガなど)の大好物。防虫剤で対策しましょう。
ナフタリンなどの有臭防虫剤は、2種類以上を併用すると化学反応を起こして防虫剤が溶け、周囲の衣服を汚すことがあります。使うなら防虫剤は一種類で。
無臭系の防虫剤は、モヘアに臭いが付かない上に、他の防虫剤とも併用できるためおすすめです。
意外な落とし穴?モヘアをクリーニングに出す際の注意点
クリーニング店によっては、モヘアは高級素材扱いとなり、追加料金が発生する場合があります。
また、万が一の縮みにそなえて、クリーニング前の状態をスマホで撮影しておくのも良いでしょう。
フローリングのラインなど、サイズ感の目安になるものの上に広げた写真を撮っておくと、クリーニング後の比較が簡単です。
心配な方はプロにお任せ!
自分で洗うのが心配な方、面倒な方はお店にクリーニングに出す方がいいかもしれません。
自分の家の近くで出すのでもいいですが、モノによってはお願いするお店を選んだ方がより良いと思います。
今の時代は、宅配クリーニングを利用すれば、自分の生活にあったお店を選んで使うこともできますので、是非候補にいれてみてくださいね。
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