ポリウレタンの特徴についてご存知ですか?きちんと知らずに洗うと思わぬことになることも!
今回はどんな特徴があるのか・自分でケア出来るのか・クリーニング出した方がいいのか、それぞれのチェックポイントを調べてみました。
ポリウレタンとは
ポリウレタンはドイツで開発された、ゴムのような生地。
天然ゴムの代替品として開発された繊維で、正式名称はスパンデックスといいます。
よく伸び縮みするのが特徴で、500%~1,000%伸びます。
買ったその日に即フィットするストレッチデニムパンツや、下着、靴下、水着、スポーツウェアなどに使われます。
また、革製品に似せた合成皮革(人工皮革)として使われることもあります。
フェイクレザー、PU(ポリウレタン)レザー、合皮と呼ばれることもあり、見栄えもよく安価な合成皮革のコートの素材としても使われています。
コーティング素材が「ポリウレタン」で、コーティング素材の詳細を明記する義務がないため、このような表示になっているんですね。
ポリウレタンのメリット
伸縮性に優れていて、軽くて乾きやすいのがメリット。
衝撃強度が強いため、スポーツシューズのインソールにも使われています。
異なる繊維素材を張り合わせる接着樹脂のような役割をし、混紡しやすいです。
レーヨンやポリエステルと合わせられることが多いようです。
例えばレーヨン95%+ポリウレタン5%で作られたカットソーは、ひんやりとした冷感を持ち肌触り抜群でありながら、適度に伸縮するため快適なフィット感を実現していますね。
ポリウレタンのデメリット
摩擦や、湿気に弱い点がデメリット。
特に水に弱く、乾きやすいのですが濡れたままだと加水分解が進んで劣化が早まります。
繊維としての強度は低く、末永く大事に使うというよりは使い捨てる用に着る服が多いようです。
ポリウレタンの混紡率が高いフェイクレザーのコートなどは、製造してから2年~3年ほどで寿命が来ます。
繊維の表面が、日焼け跡のようにボロボロとはがれるんですね。
未使用でも劣化が進むため、古着屋やオークションでポリウレタンの服を買う場合は要注意です。
伸縮性を出すために、混紡率低めでポリウレタンを使っている場合には、劣化したゴムのように波打ち状に生地が脆化(ぜいか)します。
水分、湿度、紫外線などの条件で劣化の速度が変わるため、長持ちさせたいなら正しい手入れをしましょう。
ポリウレタン素材の服をクリーニングするべき頻度は?
ポリウレタン素材の服は、洗濯やクリーニングをすると劣化が進みます。
しかし、汚れを放置しておくと、もっとひどく劣化が進んでしまいます。
未使用でも3年程度で寿命が来るポリウレタン素材ですが、長持ちさせたいなら適度にクリーニングをおこないましょう。
特に、汚れを放置したまま衣替えなどのあと、長期保管すると次のシーズンにシミやひび割れなどの原因になります。
最低でもシーズンに一度はクリーニングをおこなうべきでしょう。
ポリウレタンの正しい洗濯方法は?
洗濯表示次第ですが、ポリウレタンの場合はドライクリーニングのみか、手洗いかのどちらかでしょう。
ひどい汚れは、手洗いではなかなか落ちにくいため、クリーニング店にシミ抜きを依頼するのが無難です。
洗濯前の確認・注意点
洗濯表示次第ですが、ポリウレタンは劣化が進むため洗濯機は使わないほうが無難。
濃い色の服の場合、手洗いする場合は、色落ちしないかどうかチェックしておきましょう。
白地のタオルに洗剤を染み込ませ、目立たない箇所をポンポンと叩きます。
色移りするようなら、単独で洗濯するか、クリーニング店に依頼しましょう。
洗剤って使用した方がいいの?
手洗いの場合、洗剤はおしゃれ着洗い用の中性洗剤を使いましょう。
洗濯の手順について解説!
手洗いする場合は、以下の手順柄おこないます。
容器にぬるま湯と中性洗剤を入れ、洗浄液を作ります。
優しく押し洗いします。
2,3回容器に水を入れ替えながらすすぎます。
たたんで洗濯ネットに入れ10秒ほど洗濯機で脱水します。
裏返しにたたむと、表面生地が傷みにくいです。
風通しの良い場所で陰干しします。
ポリウレタンは湿気に弱いので、しっかり乾かすようにします。
型崩れが心配な服は、平干しで干しましょう。
乾燥機って使って良いの?
洗濯表示次第ですが、ポリウレタン素材は「タンブラー乾燥は避ける」と表示されているものがほとんどです。
乾燥機は使わないようにしましょう。
直射日光で色あせ・黄ばみの可能性があるため、天日干しは避けて、陰干しで乾かします。
アイロンって使っても良いの?
洗濯表示に従います。
ポリウレタンの場合は、アイロン不可か、使用可能でも低温のアイロンのみ可となっていることがほとんどだと思います。
テカリや、繊維へのダメージを軽減するため、白地の綿ハンカチなどで当て布をしましょう。
ポリウレタンは水に弱いため、スチームは避けたほうが良いでしょう。
ポリウレタンを長持ちさせる、普段のお手入れ方法は?
「水洗い不可」マークのついた衣類は、自宅では洗濯することができません。
すぐにクリーニングに出すのが難しくても、普段からケアしておけば大切な服を長く使うことができます。
ケア方法①:水分・湿気対策
ポリウレタンは、特に水に弱い繊維です。
濡れていると加水分解が起こり、表面のツヤがなくなり、ベトついたり、剥離したり、硬化・ひび割れが起こります。
雨で濡れたり、汗がついたら、こまめに拭き取りましょう。防水スプレーで、濡れにくくするのも良いでしょう。
例えば、スコッチガード防水&UVカットスプレー(3M)は通気性を損なわずに撥水効果を付与します。
ポリウレタンの乾きやすい性質はそのままに水や汚れをはじくようになり、直射日光による劣化速度もある程度防ぐことができます。
ケア方法②:摩擦対策
ポリウレタンは、繊維強度が弱く、同じ箇所に摩擦刺激が進むと部分的に劣化していきます。
ショルダーバッグのベルトや、リュックサックの肩紐、リュックの背中部分など断続的に摩擦が起こる箇所は要注意です。
ポリウレタンを長持ちさせるには、肩にかけるカバンは避けて、手持ちのバッグを合わせるようにしましょう。
ポリウレタン素材の服を着る際の注意点
ポリウレタンは弱い繊維なので、強い洗浄力を持つ洗剤が使えません。
油汚れやマニキュアなどの汚れをベンジンや除光液で落とそうとすると、繊維のほうが大きくダメージを受けてしまうんですね。
強めの汚れは、クリーニング店にしみぬき依頼するようにしましょう。
ポリウレタンの保管方法は?
ポリウレタン素材の服を押入れの中で保管する際の注意点をまとめました!
気を付けるポイント①:カビ対策
ポリウレタン自体は乾きやすい繊維ですが、混紡する繊維次第で性質が変わります。
クリーニングから返って来たときについているビニール袋は、湿気を溜め込みカビが発生する原因になるため外して保管しましょう。
隣接する衣服にカビが生えると、ポリウレタンにもカビが移ります。
クローゼットや押入れ、引き出しなどに除湿剤やシリカゲルなどを設置して、湿気を取るようにしましょう。
気を付けるポイント②:虫食い対策
化学繊維のポリウレタンは、虫食いの対象になりにくいです。
ただし、ウールや綿などの天然素材との混紡の場合は要注意。
虫喰い原因のカツオブシムシ、イガ、コイガなどの大好物として狙われます。
有臭のナフタリンやパラジクロロベンゼン系の防虫剤は、強力すぎて人体に影響があるのでは?と懸念されています。
また、2種類以上を同時に使うと、化学反応が起こって防虫剤が溶け、周囲を汚すトラブルが起こることもあります。
おすすめは、無臭のピレスロイド系防虫剤。
人体に優しく、他の防虫剤と併用しても化学反応を起こしません。
ムシューダ(白元)やゴンゴン(大日本除虫菊)、ピレパラアース(アース製薬)などが市販されています。
意外な落とし穴?ポリウレタンをクリーニングに出す際の注意点
ポリウレタンは、未使用状態でも劣化が進み3年程度で寿命を迎えます。
そのため、長らく放置していたポリウレタンの服をクリーニングに出すと、劣化した繊維がボロボロと崩れることがあります。
安くてデザイン性の高いフェイクレザーですが、約3年でダメになる点を覚悟しておきましょう。
心配な方はプロにお任せ!
自分で洗うのが心配な方、面倒な方はお店にクリーニングに出す方がいいかもしれません。
自分の家の近くで出すのでもいいですが、モノによってはお願いするお店を選んだ方がより良いと思います。
今の時代は、宅配クリーニングを利用すれば、自分の生活にあったお店を選んで使うこともできますので、是非候補にいれてみてくださいね。
おすすめ!
宅配クリーニングを行っているお店を調べてみました!最新のおすすめ店が知りたい方はこちらをクリック☆
目的別おすすめクリーニング店