臭いの原因とは!?
ドライクリーニングに出しても、衣類から汗やタバコの臭いが落ちない。こんな経験を持つ方もいるのではないでしょうか。
それぞれの臭いの原因と対策をご紹介していきたいと思います。
汗やタバコの臭いの原因は!?
ドライクリーニングでは汗やタバコの臭いは非常に落とし辛い理由として、そもそもドライクリーニングとは、石油系の有機溶剤を使って洗濯する方法のこと。
ドライクリーニング(乾燥洗濯)と呼ばれるのも、水を使用しないことに由来します。この有機溶剤が得意とするのは、油汚れや皮脂あるいは排気ガスのススといった、いわゆる油溶性の汚れです。
また素材についても、絹や麻あるいはウールやレーヨンなど、水洗いに弱い衣類に対して、効果を発揮します。
ところが、汗やタバコの臭いの原因物質は水溶性。ドライクリーニングは油汚れには一定の効果がありますが、このような水溶性の汚れを完全に落とすのは、なかなか難しいのが現実です。
とはいえ、汗やタバコの臭いとなる原因物質をそのままにしておくと、変色して黄ばみとなり、さらに落ちにくくなります。
特に、汗をかきやすい夏場には、白いTシャツやYシャツ等でよく目立つため、スピーディーな対応が求められます。
ドライクリーニングの溶剤が残っている場合も!
ドライクリーニングで仕上げた衣類の中には、石油のような独特の臭いを感じることがあります。
もしかするとそれは、ドライクリーニングで使用した有機溶剤が、しっかり衣類から落としきれていないのかもしれません。
先述したように、ドライクリーニングで使用する有機溶剤は石油系なので、クリーニング店の技術力や設備環境しだいでは、その臭いが衣類に残ってしまうことがあります。
同じく有機溶剤に関する臭いの原因としては、溶剤そのものが劣化していることが考えられます。
通常、クリーニング事業で使用する有機溶剤については、法律上そのまま排水溝へ流すことができません。
そのためクリーニングの現場では、使用済みの溶剤をフィルターでろ過して、さらに再利用するケースが一般的です。
ところが、フィルターの交換をしないままであったり、ろ過する装置の洗浄が不十分、あるいは故障などしていると、品質の落ちた有機溶剤をそのままドライクリーニングで使用することになります。
これが衣類に付着すると、汗や汚れが酸化して、嫌な脂肪酸臭を発するのです。
臭いの対策はどうすればいいの!?
それではドライクリーニング後のニオイ対策は実際にどうすればいいのでしょうか。
とにかく乾燥させる!
ドライクリーニングをした衣類が仕上がったら、直ぐにビニールカバーから出して、風通しのよい場所で日陰干しをしましょう。これだけでも、衣類に残ってしまった嫌な臭いを、軽減できることがあります。
ただし、あくまでも日陰で干すように徹底してください。日当たりの良い場所で干すと、繊維が日焼けし、衣類の変色や劣化を進めてしまうことがあります。
なおビニールカバーに入れたまま、クローゼットに長期間収納する方もいますが、これもダメ。嫌な臭いが染み付いてしまうだけでなく、カビの原因にもなるので、かえって衣類が臭くなったり、繊維にダメージを与えてしまいます。
クリーニング後の衣類に被されたビニールカバーは、あくまでもお店で保管する際のホコリ除けや、輸送中の予期しない汚れを避けるためのものです。
自宅では衣類からビニールカバーを外してから、保管することを覚えておきましょう。またクローゼットに衣類を入れた後も、カビが生えないように定期的に扉を開け、風通しに配慮しながら保管することが求められます。
消臭剤を使ってみよう!
日陰干しをしても臭いが消えない場合には、衣類用の消臭剤を使ってみるのもよいでしょう。
特に石油系の強い臭いであれば、即効性のある消臭剤を使用する方が、急いでいる時などには役に立つことがあります。
ただし衣類用の消臭剤にも、用途別に様々なものがあるので、注意が必要です。例えば、あくまでも香料だけで表面的な臭いを抑えるものや、消臭に加えてシワ取りにも効果があるもの、あるいはカビやウィルスといった、細菌対策に優れた消臭剤など、幅広く多種多様です。
まずは自分の衣類の素材や状態を見極め、その上で効果的な消臭剤を選ぶことが求められます。こちらの消臭剤などの様に、華やかな香りの種類がある方が楽しみやすいかもしれませんね。
もし本格的に臭いを落としたいなら、プロ仕様の消臭剤もあります。原液を希釈化したり、衣類を水やお湯に漬け込む手間がかかりますが、確実に臭いを元から除去できます。
なお、ドライクリーニングで使用する石油系の有機溶剤は揮発性なので、直接肌にふれると、かぶれることがあります。
あまりにも臭いが強い場合には、そのままお店へ持って行き、よく相談する方が無難です。
洗い直しをお店に依頼する!
家ではどうしても嫌な臭いが落ちないのであれば、最初にドライクリーニングを依頼したお店へ持って行き、事情を説明して再度洗い直しをお願いしましょう。
明らかに溶剤の落とし方が不十分であれば、直ぐに対応してもらえるはずです。
また、汗やタバコなど水溶性の物質が原因で臭う場合には、汗抜き加工やウェットクリーニングと呼ばれる特殊な洗濯方法によって、嫌な臭いが解消できます。
この洗濯方法では、ドライクリーニングすべき衣類であっても、クリーニング店の優れた技術により、型崩れすることなく衣類を洗濯してもらえます。
さらに使用する洗剤についても、消臭剤だけでなく殺菌剤まで使用して、臭いの原因を徹底的に取り除いてくれる、良心的なお店もあります。
まず、どのような方法で汗抜き加工やウェットクリーニングを行うのか、あらかじめお店に確認しておくのが理想です。もしそのお店では自分のニーズが満たせないなら、あらためてお店を探して、別途依頼するしかありません。
汗抜き加工やウェットクリーニングを行うには技術が必要な上、料金についても別料金になることが一般的です。
そのためお店選びをする際には、単に仕上がりのスピードや料金の安さだけで判断するのではなく、技術的な部分もよく見極めることが重要です。
もし家の近隣に信頼できるクリーニング店がなければ、インターネットでも予約できる、宅配クリーニングを利用するのもよいでしょう。
一口に宅配クリーニングといっても、高い技術力を備えたお店が幾つもあります。例えば、衣類の臭いが残りやすい乾燥工程では、自然乾燥にこだわって、ゆっくりと時間をかけて丁寧に仕上げるお店があります。
あるいは汗抜き加工をはじめ、染み抜き加工やカビ防止加工など、オプションサービスの充実したクリーニング店もあります。
いずれにしても、洗い直しをする際には、お店の信頼や実績をよく調べてから、安心できるお店へ依頼することが、最も効果的な臭い対策になります。
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