アセテートの特徴についてご存知ですか?きちんと知らずに洗うと思わぬことになることも!
今回はどんな特徴があるのか・自分でケア出来るのか・クリーニング出した方がいいのか、それぞれのチェックポイントを調べてみました。
アセテートとは
アセテートは、パルプ材から作った植物由来の合成繊維で、シルクのように美しい光沢があるのが特徴。化学繊維の一種で、半合成繊維と呼ばれています。レーヨンやポリエステルなどと混合して作ります。
美しいドレープがを活かした女性向けのトップスや、シルク風のジャケットやコート、パーティドレスなどに使われます。
また、適度な吸湿性と速乾性を備えるため、ジャケットやワンピースの裏地として使われる場合もあります。
アセテートのメリット
価格を抑えたシルクの代替品として、優秀な繊維です。肌にやさしい自然な質感、光沢と発色性、しなやかなドレープ性を兼ね備えています。
そのため、凝ったデザインの女性服の素材として最適なんですね。ピリング(毛玉)ができる心配がなく、適度な吸湿性と速乾性を備える点もメリット。汚れにくく、汚れを落としやすい繊維です。
アセテートのデメリット
繊維としての強度が弱いことが、アセテートのデメリット。水に濡れた状態だと、シワや型崩れができやすくなります。
熱の耐性はナイロンよりはマシな程度で、200度以上の熱で軟化してしまいます。
排気ガスに含まれる酸化窒素ガスで変色(ガス退色)を起こす可能性があり、車の多い通りや、石油ストーブの近くも要注意。
除光液や整髪料で繊維が溶解・硬化したり、穴が開くこともあります。
一般のアセテート(正式にはジアセテート)の弱点(水に濡れたら型崩れしやすい、熱に弱い)を改良したトリアセテートという繊維も開発されています。
さらに三菱ケミカルのベントクールという繊維は、ジアセテートとトリアセテートを特殊後加工して、呼吸するように繊維の湿度を調整する優れもの。
「乾き過ぎたら湿気を取り込む」「湿気を取り込みすぎたら乾燥させる」という調湿性をそなえていて、インナーやスポーツウェア、ユニフォームにも使われています。
アセテート素材の服をクリーニングするべき頻度は?
比較的シワができにくいアセテート素材ですが、いったんシワができてしまうと、なかなかシワがとれなくなります。
年に一回程度、長期保管前にはクリーニングに出しておくべきでしょう。
アセテートの正しい洗濯方法は?
洗濯表示によっては、手洗いのみ可能な場合があります。
アセテートは水に弱いため強く洗浄できませんし、シワを伸ばすにも低温アイロンしか使えないためです。お気に入りの服は、クリーニング店に依頼するのが無難でしょう。
洗濯前の確認・注意点
洗濯機での洗濯と脱水は、使えないケースがほとんどです。濃い色の服は色落ちの可能性があるため、他の服に色が移らないよう、最初の洗濯では一着のみを手洗いするようにしましょう。
洗剤って使用した方がいいの?
おしゃれ着洗い用の、中性洗剤を使いましょう。エマール(花王)、アクロン(ライオン)、ボールド おしゃれ着洗剤(P&G)、エコベール(ECOVER)などが人気です。
洗浄力に劇的な差はありません。好きな香りがついているものを選ぶのも良いでしょう。
例えばボールド おしゃれ着洗剤などは、女性調香師により女性が好む香りが付けられています。
洗濯の手順について解説!
- 容器にぬるま湯を入れ、中性洗剤を少量溶かして洗浄液を作ります。
- アセテート素材の服を入れ、5分ほど浸け置きし、優しくゆすり洗い。
- 濡れた状態で強度が極端に落ちるアセテートは、揉み洗いや、つまみ洗いは避けましょう。
- 容器の洗浄液を、きれいなぬるま湯に入れ替えてすすぎ洗い。泡がなくなるまでしっかりすすぎます。
- アセテートの服をタオルに包んで、水分を吸い取りましょう。服のサイズによっては、バスタオルを使います。
乾燥機って使って良いの?
基本的には乾燥機は使わないほうが良いでしょう。アセテートは、濡れた状態では繊維強度が極端に低くなるため、乾燥機にかけるとシワが取れなくなったり、破損する恐れがあります。
また、直射日光でダメージを受け変色する可能性があるデリケートな素材のため、天日干しではなく風通しのよい場所で陰干しして乾燥させましょう。
アイロンって使っても良いの?
どちらかというと、アセテートは熱に弱い素材です。まずは洗濯表示を確認し、アイロン可能かどうかを確認しましょう。
100%アセテート素材なら、低温アイロン可という表示になっていると思います。(他の繊維との混紡の場合は、中温アイロンが可能な場合もあり)
また、かならず当て布をしてアイロンしましょう。当て布が厚すぎると熱が通らないため、タオルのような厚い生地ではなく、無地のハンカチを使うと良いでしょう。
アセテートは、スチームの温度(100度くらい)に耐えられる繊維ですが、水に弱いためです。
アセテートを長持ちさせる、普段のお手入れ方法は?
「水洗い不可」マークのついた衣類は、自宅では洗濯することができません。すぐにクリーニングに出すのが難しくても、普段からケアしておけば大切な服を長く使うことができます。
ケア方法①:汗対策
アセテートは吸水性が低く、撥水性が高いため濡れにくい繊維です。それでも夏場などはどうしても汗が染みこんでしまいます。
染み込んだ汗に含まれる塩分、アンモニア、尿素、皮脂などは衣類に残り、変色やシミ、黄ばみの原因にもなります。
洗濯表示を確認し、洗濯可能な場合は水洗いで汗と汚れをこまめに落としましょう。
ケア方法②:シワ対策
アセテートはシワができにくい繊維ですが、いったんできたシワが取れにくいという欠点があります。
例えば、長時間座っていると、椅子と人体の間で摩擦が起こるスカートのおしり部分などはシワができやすいです。
自宅でシワ対策をする場合は、アイロンをかけましょう。ただし、アセテートは熱に弱いため、低温で当て布をし、長時間当てずにスッとすべらせるようにアイロンを当てます。
しわ取りスプレーは、汚れが残っている場合に使うと、汚れがまだらになって目立ち、シミになってしまうケースがあるため、注意しましょう。
アセテート素材の服を着る際の注意点
アセテートは、素材の中でも変色しやすい繊維です。
マニキュアを落とすときには、リムーバーが飛ばないように注意するか、アセテート素材の服を着替えるようにしましょう。
冬場は、ストーブやヒーターの近くにいると酸化窒素ガスで変色(ガス退色)を起こす可能性あり。
酸化窒素ガスは排気ガスにも含まれるため、自動車の多い場所でアセテート素材の服を着ることは避けたほうが良いでしょう。
アセテート素材が裏地として使われている場合、汗の染み込みを防ぐために、脇の下など汗をかきやすい箇所には汗パッドを使いましょう。
アセテートを着る季節はいつが良いの?
混合している素材によって変わりますが、シルク・ナイロン・ポリエステルの混合であればオールシーズン着まわすことが出来ます。
麻・レーヨンなどであればやはり春・夏の暖かい季節、ウール・アンゴラなどの素材であれば寒い冬に着るのが一番ですね。
アセテートの保管方法は?
アセテート素材の服を押入れの中で保管する際の注意点をまとめました!
気を付けるポイント①:接触している衣類からカビが移る可能性あり
アセテート自体は、カビの生えにくい繊維です。単体での保管なら問題はありませんが、接触している衣類にカビが生えると、アセテートに移る可能性があります。
一緒に保管する衣類は、長期保管前に陰干しして湿気を飛ばしたり、クローゼットに除湿剤を設置するなどの対策は必要でしょう。
気を付けるポイント②:食べこぼしなどの汚れがついていると虫食いの可能性あり
アセテートは合成繊維のため、繊維を食べる虫(カツオブシムシ、イガ、コイガなど)から直接狙われることはありません。
ただし、食べこぼしなどの汚れがついたまま保管していたり、天然素材の衣服と同じ場所に保管している場合は、虫食いが起こる可能性あり。
防虫剤は、2種類以上を併用すると化学反応を起こして防虫剤が溶け、周囲の衣服を汚すことがあります。
無臭タイプの防虫剤は、人体への影響も少なく、他の防虫剤とも併用できるため、おすすめです。
意外な落とし穴?アセテートをクリーニングに出す際の注意点
汗汚れを落としたい場合、通常のドライクリーニングでは汗が落ちません。ドライクリーニング後でも、70%の汗が残っているというデータもあるほどです。
かならず、汗抜きオプションを指定すると良いでしょう。また、アセテートは、繊維としての強度が弱いため、汚れの種類によってはシミ抜きができません。
ボールペンやマジックインキの付着による汚れの場合、シミ抜きに使う薬剤にアセテートが耐えらないケースがあります。
心配な方はプロにお任せ!
自分で洗うのが心配な方、面倒な方はお店にクリーニングに出す方がいいかもしれません。
自分の家の近くで出すのでもいいですが、モノによってはお願いするお店を選んだ方がより良いと思います。
今の時代は、宅配クリーニングを利用すれば、自分の生活にあったお店を選んで使うこともできますので、是非候補にいれてみてくださいね。
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