キュプラの特徴についてご存知ですか?きちんと知らずに洗うと思わぬことになることも!
今回はどんな特徴があるのか・自分でケア出来るのか・クリーニング出した方がいいのか、それぞれのチェックポイントを調べてみました。
キュプラとは
キュプラとは女性服用の表地や裏地に使われる繊維です。
裏地に使うとベトつきやムレを抑え、肌触りもよい快適素材となり、表地に使うとドレープが出しやすく絹のようなしなやかで柔らかい印象を与えるデザインに仕上げることが可能です。
綿を溶かしたセルロース素材で作られた再生繊維で、レーヨンと近い性質を持ち、コットンリンター(綿花の種子に生えている短い繊維)が主原料です。
キュプラという名前は、銅アンモニア・レーヨン(キュプラモニウム レーヨン)を略したもの。
女性用のシャツやカーディガンのほか、スーツや、ジャケット、コートの裏地に使われており、キャミソールや、和装肌着に混紡素材として使われることもあります。
もともとはドイツで商品化され日本では旭化成が生産しているキュプラは、ベンベルグという商品名で世界全体の大きなシェアを持っています。
ベンベルグは、土に埋めると分解されて土に還るエコロジー素材としても注目されています。
キュプラのメリット
シルクのように柔らかくて光沢があるため、ドレープを活かした女性服に表地として使われます。
また、吸湿性(湿気を吸い取る)が高く、同時に放湿性も高い点から、「べとつきにくく、蒸れにくい裏地」として重宝されています。
一定の温度・湿度(20度、湿度65%)を基準に、蒸れてきたら湿気を吸い取り、乾燥してきたら湿気を放出します。
また、摩擦に強くて、皺になりにくいのが特徴。
吸水性が高く繊維に水分を多く含むため、静電気が起こりにくいので、「まとわりつき」も起こりにくいことからスカートの裏地としても人気です。
夏はひんやり、冬は温かい点を利用して、肌着の素材としても使われます。
キュプラのデメリット
コストが高い点と、水に濡れると縮みやすい点がデメリット。
また、湿気を多く含んでいる状態だと、摩擦によってフィブリル化(毛羽立ち)しやすいのもデメリットと言えるでしょう。
キュプラ素材の服をクリーニングするべき頻度は?
衣服の種類によって、クリーニング頻度は変わってきます。キュプラ混紡率が低い下着で洗濯可能なものは、頻繁に洗濯するのが良いでしょう。
トップスやシャツ、カーディガンなら週に一回程度、コートやジャケット(裏地にキュプラ使用)なら、1シーズンに1回程度が目安です。
ひどい汚れがついた場合は、汚れが定着してしまう前に都度クリーニングをおこなうのが良いでしょう。
キュプラの正しい洗濯方法は?
キュプラ100%の素材は、水洗い自体が不可でドライクリーニング一択の場合がほとんど。
キュプラと他の繊維の混紡率次第で、水洗い可のもの・洗濯可のものがありますので、念のため洗濯表示を確認しましょう。
洗濯前の確認・注意点
キュプラ自体は、洗うことで確実に縮みが発生します。
濃い色の衣服では色落ちの可能性もあるため、最初に洗濯する場合は単体で洗うようにしたほうが良いでしょう。
洗剤って使用した方がいいの?
キュプラの洗濯には、おしゃれ着用の中性洗剤を使うのが良いでしょう。エマール(花王)、アクロン(ライオン)などが有名です。
例えばエマールは、蛍光剤不使用。繊維ケア処方効果があり、ウール認証マーク付きです。
洗浄力に大きな違いはないため、好きな香りで中性洗剤を選ぶ、という人も少なくありません。
洗濯の手順について解説!
キュプラという素材は水にぬれることで繊維としての強度が落ち、摩擦で毛羽立ち安くなります。
そのため、水につけておく時間が長くならないよう、洗濯の工程の合間に脱水を行う必要があります。
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1容器に水を入れ、中性洗剤を溶かして洗浄液を作ります。
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2服を軽く畳んで洗濯ネットに入れ、キュプラ素材の服を30秒ほど押し洗いします。
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3続いてすすぎです。容器を綺麗な水に入れ替え、30秒ほど押してすすぎます。水を替えて、すすぎをもう一度おこないます。
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4洗濯ネットのまま洗濯機の脱水にかけます。時間は10秒ほど。柔軟剤を溶かした水に10秒つけます。その後、10秒脱水をおこないます。
この状態では、水分はほとんど取れていないため、バスタオルで衣服を挟み込んで水分を吸い取ります。
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5最後に風通しの良い場所で干します。
ピンチ(洗濯バサミ)などで吊ると型崩れするため、繊維が伸びないように平干ししましょう。
一般的なピンチハンガー(洗濯バサミがたくさんついた乾燥用ハンガー)の上面に寝かせて平干ししてもOKです。
乾燥機って使って良いの?
キュプラは、水を含んだ状態では摩擦に弱くなるため、乾燥機の使用は避けたほうが良いでしょう。
なおキュプラは紫外線で変色しにくい素材のため、天日干しOKです。
アイロンって使っても良いの?
キュプラにアイロンを使えるかどうかは、他の繊維との混紡率によります。アイロン可かどうか、使える温度は洗濯表示に従いましょう。
多くの場合は、低温~中温でアイロンすることになります。
なお、低温でアイロンを掛ける場合は、タオル地などの厚いものでは熱が通らないため、無地の綿のハンカチを当て布に使うと良いでしょう。
キュプラを長持ちさせる、普段のお手入れ方法は?
「水洗い不可」マークのついた衣類は、自宅では洗濯することができません。
すぐにクリーニングに出すのが難しくても、普段からケアしておけば大切な服を長く使うことができます。
ケア方法①:汚れがついたらこすらない
汚れはこすらずに、乾いたタオルなどで軽く叩いて吸い取らせるようにします。この場合、汚れを落とすためにゴシゴシこするのは厳禁。
特に濡れた状態では、キュプラはダメージを受けやすくなっています。キュプラは吸水性が高いため、裏地や肌着の場合は汗も浸透しやすいです。
雨はただの水ではなく、汚れを含んでいるんですね。そのため、単に水分を拭き取っても汚れが残り、輪ジミになることもあります。
吸い取りきれない汚れの場合は、洗濯表示を確認してから、水洗いで対処します。
ケア方法②:シワ対策
キュプラという素材は、もともとシワができにくい素材での上に、濡れると更にシワができやすくなってしまいます。
できてしまったシワは、洗濯表示を確認してからゆっくりとアイロンでシワを伸ばしましょう。
キュプラ素材の服を着る際の注意点
キュプラは水の影響を受けやすいです。特に雨は、汚れを含んでいるため濡れるだけでキュプラ素材に雨ジミができるケースあり。
外出時には、吸水性の高いタオル地のハンカチなどを持ち、万が一雨に濡れたらハンカチで軽く叩くように水分を吸い取らせましょう。
完全に濡れてしまったら、クリーニングに出すのが良いでしょう。
キュプラの保管方法は?
キュプラ素材の服を押入れの中で保管する際の注意点をまとめました!
気を付けるポイント①:保管場所に防湿剤を設置する
キュプラは、周囲の温度・湿度に合わせて湿気を吸い込んだり放出したりします。
そのため、カビなどが生えにくい繊維と言えるのですが、引き出しやクローゼット、押入れなどの保管場所の湿度が高い場合には、目一杯湿気を吸い込み、放出することができなくなります。
特に梅雨の時期など、保管場所に防湿剤を設置したり除湿機を使うなど、湿気対策をおこないましょう。
気を付けるポイント②:防虫対策
キュプラは、植物性の繊維で、繊維を食い荒らす虫(カツオブシムシ、イガ、コイガなど)から積極的に狙われることはありません。
しかし、同じ保管場所にウールやシルクなど天然素材の衣服を保管していた場合や、汚れがついたまま保管していた場合は、虫食いの被害に合うことも。
保管時には、防虫剤で対策しておいたほうが無難でしょう。
意外な落とし穴?キュプラをクリーニングに出す際の注意点
素材別に追加料金を設定しているクリーニング店では、キュプラは追加料金の対象となることがあります。
例えば白洋舎では、上質素材の場合はクリーニング料金が約2倍になるのですが、キュプラの場合は一般素材扱いのようです。
キュプラ素材に別料金を設定している店は、一点につき200円~500円程度の追加料金がかかるようです。
心配な方はプロにお任せ!
自分で洗うのが心配な方、面倒な方はお店にクリーニングに出す方がいいかもしれません。
自分の家の近くで出すのでもいいですが、モノによってはお願いするお店を選んだ方がより良いと思います。
今の時代は、宅配クリーニングを利用すれば、自分の生活にあったお店を選んで使うこともできますので、是非候補にいれてみてくださいね。
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