袴を長持ちさせるには、正しい頻度で手入れを行うことがとても大事です!
今回は、袴をきれいにキープするお手入れ方法や、お店にクリーニングに出す頻度や料金相場、クリーニングにかかる日数などをご紹介していきます!
袴をクリーニングするべき頻度は?
買えば、着物だけでも数十万円~70万円、袴単体でも数万円~10万円はする和服は、1日着るだけでもとても神経を使いますよね。
昔ながらの正絹(しょうけん)の着物・袴なら、汚れたら即着物専門のクリーニング店へ持ち込みましょう。
雨の日についた泥はねや、単純に雨に濡れただけでも雨に含まれる不純物(ごみ)で汚れ、時間とともに雨ジミとなって浮き出てくることがあります。
着物全体を水洗いするには、洗張りと言って着物を反物状に分解してから洗うなど大掛かりな作業が必要になります。
化学繊維(ポリエステル素材)の場合
最近は、化学繊維(ポリエステル素材)の着物や袴が登場してきました。
映画「ちはやふる」の影響で競技カルタを始めて袴を履き始めたという人も居れば、汚れても良いように書道パフォーマンスで使うという人、着物の着付けの練習用に使うという人、保育園の先生が毎年の卒園式に着るというケースもあります。
化学繊維の袴は自宅で洗濯できるため、汚れや汗が気になったタイミングでいつでも洗濯できます。
そのため、七五三や卒園式、卒業式、成人式などでもレンタルの正絹着物ではなく、ポリエステル製を選ぶ人も増えてきました。
汗や汚れが気になったらクリーニングに出せば良いという点が、若い人を中心に受けているのかも知れませんね。
実際にポリエステル袴を着ている人の口コミを見ると「安っぽいかと思ったら、それほど違和感がなかった」「低価格なのに、思ったよりちゃんとしている」と、9割以上の購入者が満足しているようでした。
以下、ポリエステルの袴を中心にお手入れ方法、保管方法などを解説していきます。
袴を長持ちさせる、普段のお手入れ方法は?
普段からケアしておけば、大切な袴を長く使うことができます。
ケア方法①:静電気対策
ポリエステルの袴は、静電気が発生しやすいです。特に冬場は、静電気防止の柔軟剤で洗うなどの対策が必要になるでしょう。
不快な静電気のパチパチを防止するだけでなく、ゴミやホコリがつきにくくなります。
効果は一週間ほど保つので十分です。外出時には、小型の容器に入れた静電気防止スプレーを持ち歩くようにするのも良いでしょう。
革製品に触れているだけで、静電気感電率がゼロに近くなるほど下がるんですね。ポリエステルの袴と合わせるなら、袴ブーツは革素材のものがベストと言えるでしょう。
ケア方法②:ヒダの折り目をキープ
ポリエステル素材は、もともと形状記憶性が高いため、ヒダの折り目(プリーツ)が崩れにくいという特徴があります。
こまめなアイロンがけは特に不要ですが、プリーツをキレイに維持したいなら、袴を吊って保存するのが良いでしょう。
剣道用に4点で吊るす方式の袴ハンガーが、通販で1,000円程度で販売されています。
プリーツの手入れは、正絹の袴のお手入れ方法よりも、剣道や弓道などの武道用の袴のメンテナンス法が参考になります。
ケア方法③:乾燥機は使わない
ポリエステル素材に限らず、化学繊維は熱に弱いです。もともと速乾性がある素材ですから、あえて乾燥機は使わなくて良いでしょう。どうしてもという場合は、袴の洗濯表示を確認した上で使いましょう。
他にも、なるべく熱を避けるため、以下の点に注意しましょう。
- 洗濯後の乾燥時に、直射日光は避ける
- 汚れを取る目的でも、洗濯に熱湯は使わない
- アイロンがけする場合は、かならずあて布をする。スチーム機能はオフ
家でクリーニングは出来るの?
化学繊維の着物であれば自宅でも洗濯可能です。
ポリエステル素材はシワができにくいので、アイロンがけもさほど必要ではありませんし、速乾性があって丈夫なため、扱いやすい素材です。
ただし、一点問題になるのが袴の折り目(プリーツ)。プリーツ加工済みで、ネットに入れて洗濯したとしても折り目部分は崩れてしまいます。
綺麗な折り目で着続けたい場合は、袴だけはクリーニングに出したほうが良いでしょう。
袴の保管方法は?
袴を押入れの中で保管する際は、湿度や害虫などに気を付けましょう!
気を付けるポイント①:防虫力・防湿力は高い
繊維を食べる虫が好むのは天然素材。ポリエステルの袴は化学繊維なので、そもそも虫が寄って来ません。
ただし、皮脂汚れや食べこぼしなどを放置したまま保管すると、それらを目的に近づいてきた虫に食われる可能性があります。
保管前には、洗濯やクリーニングをしておきましょう。
また、ポリエステルは吸水性が低く乾きやすいという性質があるため、カビも生えにくい特徴があります。
気を付けるポイント②:色あせを防ぐ保管方法
ポリエステルの袴は、天然素材に比べると色あせしにくいのが特徴。
とは言え、紫外線にさらされると色あせが進みます。
保管時は、太陽の光が届かないクローゼットなどに保管しましょう。太陽光ほどではありませんが、室内の蛍光灯にも紫外線が含まれるため、カバーをかけて保管すればなお良いでしょう。
クリーニングに出した際は静電気防止加工オプションをつけると保管力アップ
ポリエステルの袴は吸水性が悪く、夏は肌にペターッとくっついて不快になる点から、主に冬の時期に着用されることが多いです。
冬は、ただでさえ静電気が発生しやすいポリエステルに、さらに静電気がたまりやすいんですね。パチパチ不快な静電気を抑える、静電気加工オプションがあれば、ぜひ指定しましょう。
ホコリや毛などがつきにくくなる効果もあります。
袴のクリーニングにかかる料金相場はどれぐらい?
こちらが大体の相場料金ですね、大体5,000円前後というところでしょうか。
種類 | 料金 |
袴 | 4,400円~5,700円 |
剣道用袴 | 1,000円~2,400円 |
※今回の相場料金の算出は、そめの近江、しみぬきの京都屋、きものやまと、つるや、スポーツ衣類のクリーニング DEA、天然洗濯工房、うさちゃんクリーニング、ノムラクリーニングの8社を対象に調査しました
なおこちらは正絹(しょうけん)の着物を想定した値段のようです。袴の素材によって異なる料金を設定しているお店は見当たりませんでした。
専門店に直接依頼するよりも割高になるため、料金をかならずチェックしておきましょう。
普通の袴とは違い、「剣道用」「弓道用」など、スポーツ着の袴のクリーニングだと急にリーズナブルな金額になります。
武道用の袴にも化学繊維製(ジャージ素材、テトロン素材)があるので、同じぐらいの値段で対応してくれるとありがたいのですが。「ポリエステルの袴」というそのものズバリのメニューがあれば頼みやすいですね。
宅配クリーニングの中には、衣類の数だけで値段が決まるサービスがあるので、そちらを利用するのも良いでしょう。
意外な落とし穴?袴をクリーニングに出す際の注意点
1点目は、化学繊維の袴を、正絹の着物と同じ値段でクリーニングする店は避けること。ヘタをすると、一回のクリーニングで新品の袴が買えてしまうほどのクリーニング料金がかかってしまいます。
2点目は、袴の折り目(プリーツ)の数によって、クリーニング料金が変わる業者がいる点。
最安のお店を選んでクリーニングを出す場合は、プリーツ数による追加料金も加味して、お店を選びましょう。
袴をクリーニングに出した際にかかる日数は?
複数の会社を調べた結果、大体早くて1週間・長くて2週間ぐらいのお店が多かったです。
特に袴の場合は、プリーツ(折り目)をつけるのが手作業になるため、一般のクリーニングよりも仕上げに時間がかかるのでしょう。
クリーニング後の注意点
クリーニング全般に言えることですが、袴を受け取ったら必ずすぐに仕上がりに問題がないか確認しておきましょう!
しばらく時間が経ってからだと、お店のクリーニングが悪かったのか自分の保管方法が悪かったのか判断が出来なくなってしまいます。
袴のチェックポイントとしては、プリーツ(折り目)の仕上がりが重要です。余計な折り目が入っていないかなど、しっかりチェックしましょう!
無料で再仕上げを依頼できる期間が限られていることも多いので、家に持って帰ってきたらすぐにチェックするのが良いでしょう。
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